育児休業の取得は進んでも、復帰後の定着でつまずく企業は少なくありません。復帰後に働きづらさから離職してしまえば、採用・育成コストが無駄になります。育休復帰支援プログラム規程は、休業前から復帰後までの支援を仕組み化し、両立と定着を後押しする規程です。
本記事では、育休復帰支援プログラム規程の作り方を、各段階の面談・段階的復帰・両立支援とあわせて整理します。
育児介護休業法の改正と復帰支援
2025年の育児・介護休業法改正で、個別の周知・意向確認や柔軟な働き方を実現するための措置(3歳〜小学校就学前の子を養育する労働者に、始業時刻変更・テレワーク・短時間勤務などから2つ以上を選択して講じる義務)が求められるようになりました。復帰支援プログラムは、これらの義務対応を含めて設計すると効率的です。
※ 育介法の改正内容の詳細は、育児・介護休業規程に関する記事もあわせてご確認ください。
規程に盛り込むべき項目
1. 目的・適用範囲
- 育児休業からの円滑な復帰と就業継続の支援
- 対象(育児休業を取得する従業員)
2. 各段階の面談
復帰支援の中核は、節目ごとの面談です。
| タイミング | 主な内容 |
|---|---|
| 休業前 | 業務の引継ぎ、休業中の連絡方法、復帰後の働き方の希望聴取 |
| 休業中 | 会社・職場の情報提供、復帰時期の確認、不安の解消 |
| 復帰前 | 配属・業務内容、勤務時間、保育の状況確認 |
| 復帰後 | 就業状況の確認、両立上の課題のフォロー |
3. 段階的復帰・慣らし勤務
- 復帰直後の短時間勤務・時差出勤
- 業務量の段階的な調整
4. 両立支援制度
- 短時間勤務制度
- 所定外労働・時間外労働・深夜業の制限
- 子の看護等休暇
- テレワーク
- 事業所内保育・ベビーシッター補助等
5. 復帰後のキャリア支援
- 評価・昇進で不利益にしない方針
- スキル回復・研修の機会
6. 周知・相談
- 制度の周知・相談窓口
- 管理職向けの理解促進
くるみん認定・助成金の活用
復帰支援の取り組みは、外部認定や助成金につながります。
- くるみん認定/プラチナくるみん:子育てサポート企業としての認定。採用ブランディングに有効
- 両立支援等助成金:育休取得・復帰支援等の取り組みに対する助成(要件・最新内容は要確認)
規程整備と運用実績は、これらの認定・助成の申請要件を満たす土台になります。
ありがちな失敗
1. 制度はあるが使われない
短時間勤務などの制度があっても、職場の理解がないと使いにくい。管理職の理解促進が不可欠です。
2. 面談が形式的
「面談した」だけで、希望の聴取・課題への対応がないと定着につながりません。
3. 復帰後に不利益な配置・評価
両立を理由とした不利益取扱いはマタハラに該当し得ます。評価・配置の方針を明確にします。
規程ログでの整備
規程ログには、育児・介護休業規程や育休復帰支援関連の規程テンプレートが揃っており、2025年改正への対応状況を確認しながら整備できます。改訂時には全従業員への周知・既読証跡を残せるため、個別周知の義務対応のエビデンスにもなります。
まとめ
育休復帰支援プログラム規程は、休業前・休業中・復帰前後の面談を軸に、段階的復帰・両立支援制度・キャリア支援を仕組み化します。2025年改正の個別周知・柔軟な働き方の措置への対応を含めて設計し、くるみん認定・助成金の活用にもつなげましょう。制度を作るだけでなく、使える職場文化を育てることが定着の鍵です。
※ 本記事は一般的な情報整理を目的としています。助成金の要件や育介法対応の細目は、最新の制度確認と社労士による確認を推奨します。
