海外出張マニュアル
はじめに
このマニュアルは、〔会社名〕の役職員が海外出張を行う際の手続き・心得を定めたもので、旅費規程(VII-003)の運用版として位置づけられます。
国内出張と異なり、ビザ・保険・安全管理・贈収賄規制など留意点が多岐にわたります。出張稟議の前にこのマニュアルを通読してください。
出張前の準備
1. 書類・身分関連
- パスポートの 残存有効期間 6 か月以上 を確認(国により 1 年要求もあり)
- 渡航先のビザ要件確認・取得
- 必要な予防接種(黄熱・A 型肝炎等)
- 国際運転免許証(運転予定がある場合)
2. 保険・労災
- 海外旅行保険(会社契約/個別契約)の付保
- 海外労災特別加入の手続き
- 緊急医療搬送(メディカルアシスタンス)番号の控え
3. 稟議・スケジュール
- 出張稟議の起票(渡航先・期間・目的・概算費用)
- 訪問先アポイント・移動・宿泊の確定
- 業務代行者の指名・引継ぎ
4. 安全情報の確認
外務省「海外安全ホームページ」および「たびレジ」登録は 必須 です。
- 危険情報レベル(レベル 1〜4)の確認
- 感染症情報の確認
- レベル 3 以上の地域は原則渡航禁止(やむを得ない場合は役員承認)
出張中の連絡体制
以下を出発前に共有してください。
- 現地連絡先(携帯番号・ホテル)
- 同行者・現地アテンドの連絡先
- 在外公館(大使館・総領事館)連絡先
- 会社緊急連絡先〔24 時間連絡先〕
- 1 日 1 回の安否連絡(社内チャット可)
経費の取扱い
- 支払いは 会社クレジットカード優先
- 領収書(Receipt/Invoice)は原本を保管。電子領収書はメールごと保存
- 現金両替は最小限に。両替レシートを保管し、社内レートではなく実勢レートで精算
- チップは慣習に従い、領収書に手書き加算可(金額・日付を明記)
危機事案発生時の対応
テロ・治安悪化
- 直ちに屋内退避、外出を控える
- 大使館・会社へ連絡、指示を待つ
- SNS への現地状況投稿は控える(位置特定の危険)
自然災害
- 安全な場所へ退避
- 「たびレジ」経由の通知に従う
- 帰国便の振替を会社へ相談
健康トラブル
- 海外旅行保険のアシスタンスデスクへ連絡
- 指定医療機関を受診(キャッシュレス対応の有無を確認)
- 重症の場合は緊急医療搬送を検討
帰国後の手続き
- 経費精算(帰国後 1 週間以内)
- 出張報告書の提出(成果・所感・次回への申送り)
- 健康状態の自己確認(発熱・下痢等は産業医面談)
- 持ち帰った機密資料・サンプルの管理(税関申告含む)
渡航先別の留意点
| 地域 | 主な留意事項 |
|---|---|
| 米国 | ESTA 取得(電子渡航認証)/滞在 90 日以内 |
| 欧州(シェンゲン) | ETIAS(運用開始時期は要確認)/90 日/180 日ルール |
| 中国 | ビザ取得(種類に注意)/VPN・通信環境 |
| 中東 | 入国スタンプ制限(イスラエル等)/服装規範 |
コンプライアンス
海外出張中も〔会社名〕の規程と現地法令の双方が適用されます。特に以下に注意してください。
- 贈収賄防止:公務員・準公務員への金銭・接待・贈答は事前承認制
- 米国 FCPA・英国 Bribery Act の域外適用に留意
- 輸出管理(みなし輸出含む):技術情報の持ち出しは事前確認
- 現地法令遵守(薬物・通貨持出制限・撮影禁止区域)
判断に迷う場面では、現地で対応する前に必ず法務部または〔コンプライアンス連絡先〕に相談してください。