法務相談マニュアル
目的
このマニュアルは、〔会社名〕の各部門が社内法務または顧問弁護士に相談する際の進め方を定めるものです。
法務リソースを有効活用し、適時・適切な法的助言を得て事業判断の質を高めることを目的とします。
相談すべき場面
以下の場面では、自己判断で進める前に必ず法務へ相談してください。
| 場面 | 例 |
|---|---|
| 契約締結前 | 新規取引先との基本契約、ひな型外の条項、保証・補償条項 |
| トラブル発生時 | 取引先からのクレーム・通知書受領、債権回収、紛争 |
| 新規事業立ち上げ時 | 業法該当性、ライセンス要否、利用規約・プライバシーポリシー作成 |
| 規程改廃時 | 就業規則・各種規程の新設・改訂 |
| 組織再編・M&A | DD、契約、開示、許認可承継 |
| 行政対応 | 行政指導・立入検査・報告徴収 |
相談前の準備チェックリスト
相談効率を上げるため、以下を事前に整理してください。
- 背景情報(取引・経緯・関係者)
- 関連資料(契約書ドラフト・メール履歴・社内資料)
- 検討経緯(既に検討した選択肢と結論)
- 期限(いつまでに回答が必要か)
- 希望結論(事業部としてどう進めたいか)
- 想定リスクと許容度
相談ルートの選択
1. 第一次:社内法務
- 通常の契約レビュー・規程相談・一般的な法律相談
- チケット起票(〔法務チケットシステム〕)または
#legal-consultチャンネル
2. 第二次:顧問弁護士
- 社内法務が必要と判断した場合に依頼
- 紛争性のある案件・専門性の高い領域・経営判断を伴う案件
3. 第三次:専門弁護士
- 知財・労働・税務・国際取引・刑事等の専門領域
- 顧問弁護士または法務責任者が紹介
顧問弁護士費用の取扱い
| 課金方式 | 内容 |
|---|---|
| 顧問料内 | 月次顧問契約の範囲(短時間相談・簡易レビュー) |
| 時間制 | タイムチャージ(時給制、見積取得) |
| 案件別 | 着手金+成功報酬/一括フィー |
新規依頼時は法務責任者の事前承認を取得し、請求書は法務経由で経理に回付してください。
緊急案件の即時連絡先
以下は時間外・休日でも即時連絡可能とします。
| 事象 | 一次連絡先 |
|---|---|
| 労働紛争(解雇通知書受領・団交申入れ) | 法務責任者 |
| 行政指導・立入検査 | 法務責任者+経営層 |
| 刑事事件(任意同行・捜索差押え) | 法務責任者+経営層+顧問弁護士 |
| 仮処分・訴状送達 | 法務責任者 |
相談記録の管理
- 相談内容は法務チケットに記録し、関係者限定で共有
- 弁護士からの回答書は機密文書として管理
- 守秘義務を厳守し、相談内容を関係者外に開示しない
弁護士・依頼者間特権の保持
- 弁護士との通信には件名に
[Privileged & Confidential]を付す - 弁護士助言を含むメール・文書は社外への安易な転送を禁止
- 海外案件では現地法(特に米国の Attorney-Client Privilege)の要件を確認
法的判断の社内伝達
- 相談結果は口頭で済ませず、議事メモまたはメールで文書化
- 文書化の際は「弁護士助言の要旨」と「事業部の意思決定」を明確に区別
- 規程・マニュアルへの反映が必要な場合は所管部門に申送り
海外案件
- 現地代理人の選任は顧問弁護士のリファラルを優先
- タイムゾーン・言語・現地法令を踏まえたスケジュールを設定
- 機密保持契約・利益相反確認を依頼前に締結・確認
AI 利用上の注意
- 法務相談で生成 AI(ChatGPT 等)を利用する場合は AI 利用ガイドライン(V-006)に従う
- 機密情報・個人情報・契約書全文の入力は原則禁止
- AI の回答は参考情報にとどめ、最終判断は必ず社内法務または弁護士が行う
- AI 出力をそのまま社外に提示しない(ハルシネーションリスク)