SLO / SLA 管理規程
第1章 総則
第1条 (目的)
- 本規程は、〔会社名〕(以下「会社」という。)が提供する SaaS サービスのサービス品質を継続的に維持向上させるため、サービスレベル目標(SLO)及び顧客に対する約束(SLA)の設計、運用、監視及び見直しに関する事項を定めることを目的とする。
第2条 (適用範囲)
- 本規程は、会社が外部顧客に提供する全ての SaaS サービス及び主要な内部システムに適用する。
- 本規程は、サービスの企画、開発、運用及び顧客対応に関わる全ての従業員に適用する。
第3条 (用語の定義)
- SLI とは、Service Level Indicator(サービスレベル指標)をいう。
- SLO とは、Service Level Objective(サービスレベル目標)をいう。
- SLA とは、Service Level Agreement(顧客との合意水準)をいう。
- エラーバジェットとは、SLO に基づき許容される SLI の不達成枠をいう。
- RCA とは、Root Cause Analysis(根本原因分析)をいう。
第2章 SLI 及び SLO の設定
第4条 (SLI の選定)
- 各サービスの責任者は、サービス特性に応じて次の各号から SLI を選定する。
- 可用性(リクエスト成功率)
- レイテンシ(応答時間)
- エラー率
- スループット
- SLI の計測点及び計算式は、サービスごとに文書化し、関係者で合意のうえ運用する。
第5条 (SLO の設定)
- 各サービスの SLO は、ビジネス上の重要度及び顧客の期待水準に応じ、次のクラスのいずれかを目安として設定する。
- 標準クラス: 月間可用性 99.9%
- 重要クラス: 月間可用性 99.95%
- 基幹クラス: 月間可用性 99.99%
- SLO は、四半期に 1 回以上見直しを検討する。
第3章 エラーバジェットの運用
第6条 (エラーバジェットの算出及び運用)
- エラーバジェットは、SLO の許容不達成率を測定期間に乗じて算出する。
- エラーバジェットの月次消費率が 50% を超えた段階で、運用責任者は技術責任者に報告し、リスクの高い変更の延期等の対策を検討する。
- 消費率が 100% に達した場合は、原則として新規機能リリースを一時停止し、信頼性向上のための作業を優先する。
第4章 SLA の構成
第7条 (SLA の構成要素)
- 顧客と締結する SLA には、次の各号を明示する。
- 対象サービス及び対象機能の範囲
- SLI の定義及び計算方法
- 測定期間(原則として暦月)
- 除外条件(計画停止、不可抗力、顧客起因の事由等)
- 未達時のサービスクレジット又は返金の算定方法
第8条 (SLA レポートの提供)
- 会社は、顧客の要請に応じて月次又は四半期の SLA 達成状況をレポートとして提供する。
- レポートには、SLI の実測値、SLO 比、主要なインシデントの概要を含める。
第5章 インシデント対応
第9条 (インシデントの重大度分類)
- インシデントは、影響範囲及び事業影響に応じて次のとおり分類する。
- P1: サービス全体又は基幹機能の停止
- P2: 一部機能の停止又は重大な性能劣化
- P3: 軽微な不具合又は限定的な影響
- 各重大度に応じた初動 SLA 及び復旧 SLA は、別途運用手順書に定める。
第10条 (計画停止)
- 計画停止を実施する場合は、原則として実施日の 7 日前までに対象顧客に通知する。
- 実施時間帯は、原則として日本標準時の深夜帯(午前 0 時から午前 6 時まで)とし、顧客への影響を最小化する。
第6章 SLO 未達時のレビュー
第11条 (根本原因分析)
- SLO が未達となった場合又は P1 インシデントが発生した場合は、原則として 5 営業日以内に RCA を実施し、ポストモーテムとして文書化する。
- ポストモーテムには、事象の経緯、根本原因、暫定対応、恒久対策及び再発防止策を含める。
- 再発防止策は、担当者及び期限を明確化し、進捗を月次でレビューする。
第7章 SLA 違反時の顧客対応
第12条 (顧客対応)
- SLA 違反が確認された場合、会社は対象顧客に対し、原則として翌月末までに違反事実及び原因を文書で通知し、必要に応じて謝罪する。
- 違反に伴うサービスクレジット又は返金は、契約に定める算定方法に従って提供する。
- 重大な SLA 違反が繰り返される場合は、契約条件の見直し又は対応体制の強化を顧客と協議する。
第8章 雑則
第13条 (教育及び周知)
- 会社は、本規程の運用に関わる従業員に対し、年 1 回以上の教育を実施する。
第14条 (改廃)
- 本規程の改廃は、サービス運用を所管する責任者が起案し、稟議規程に基づき決定する。
附則
本規程は、〔施行日〕から施行する。